今月の草本(2017年11月)
2017.11.25.07:33
菅さん提供
ヤマラッキョウ(山辣韮 ヒガンバナ科)
花期9月~11月
子供のころ実家では毎年ラッキョウを栽培していました。ラッキョウの花は秋に咲き、その花の横を学校の行き帰りで毎日通っていましたのでラッキョウの花は見慣れた花でしたが、同じような花が通学路の山道に数輪咲いていたのを覚えています。
畑の作物がなぜ山に在るのか子供心にも不思議に思っていましたが、実はその花はヤマラッキョウの花だったと分かったのは花に興味を持ち出した一昔前のことです。
花の正体が分かったところで生来のいかもの食いの性癖が頭をもたげ、ラッキョウの仲間なら食べられるだろうから今度目にしたら鱗茎を掘り取って食べてやろうと思い食の可否を調べたところ、以外にも食べられないという記述に接しました。
ヤマラッキョウはラッキョウとは別種といわれていますが、近縁のノビルは毎年のように賞味しているのでヤマラッキョウも食べられるのではないかと内心思っていましたが、ごく最近この花を目にした折に再度調べてみると、食べられないという情報以外に食べられるという情報にもいくつも出くわしました。
その情報によると、ヤマラッキョウの鱗茎はラッキョウほどには大きくならないことから山菜としてはあまり利用されていないが食べられるというもので、別の情報では生食の他に和え物や天ぷらで食べられると料理法まで紹介されていました。
これはもう食べてみるほかはないと思ったものの、目にした所の花は数本で、鱗茎を採れば来年は花が見られなくなってしまうので今回はあきらめ、別の機会まで食べるのはお預けとすることにしました。
話変わって、一般にエシャロットの名でも通用している生食に適した若採りラッキョウはその昔売り出す際に、ラッキョウの名では売れないだろうと西洋野菜で同じネギ属にあるエシャロットというおゃれな名で売りだしたところヒットしたそうです。
そこでひらめいたのがヤマラッキョウを「ヤマエシャロット」の名で売り出せば、あまり見向きもされなかった山菜が一躍高級山菜に昇格して一財産築けるのではないかと・・・。
なお、当初エシャロットの名で流通していた若採りラッキョウは、本物のエシャロットと区別するため現在はエシャレットと呼ばれているようです。